西武「ニューレッドアロー」、新宿線変革の立役者 特急「小江戸」とともに登場、後継はライナー型

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西武鉄道広報部の曽根康士朗さんは、10000系ニューレッドアロー導入の経緯について「初代レッドアロー号は西武秩父線開業とともに秩父方面への観光特急として活躍しましたが、その後通勤利用者が大幅に増え、通勤主体の特急となってきたので『通勤特急としてのイメージアップを図る』という考えを基本に作られました」と説明する。

車内にカード式公衆電話も設置されていたが、その場所には現在、モバイルバッテリーのスタンド。「時代に合わせて少しずつ車内設備が変わっています」(曽根さん)。

川越出身の曽根さんは「『小江戸』という名称がついているため、川越市民として個人的にはとても愛着のある車両です。通勤通学時にはほぼ満席となっており、沿線にお住まいのお客さまにとっては日常の足でありながら、観光で川越を訪れる方々にとっては非日常を感じられる、『都心と川越のまちを結ぶシンボルのような車両』です」と位置付ける。

西武10000系 運転席
10000系の運転席(記者撮影)
【写真】いつもは前面展望ができないため、あまりじっくりと見る機会がない10000系の運転席。10109編成と10112編成ではどこが違う?

ラッピングで沿線盛り上げも

10000系は新宿線・池袋線の両系統で幅広く活躍。ラッピングやイベント列車などでも西武沿線を盛り上げてきた。2011年11月には10105編成による5000系の車体色を模した「レッドアロークラシック」の運行を開始。2021年4月まで9年半にわたって走り続けた。

2016年~2017年には「秩父祭の屋台行事と神楽」「川越氷川祭の山車行事」のユネスコ無形文化遺産登録を記念し「プラチナ・エクスプレス」の秩父・川越両バージョンのラッピング車両が登場。一方、2018年には「ラブライブ!サンシャイン!!」のスタンプラリーに合わせて車体に登場人物のデザインを施した。

運用面では、埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドームでプロ野球公式戦が開催される日に運行する臨時特急「ドーム号」に充てられた。2025年7月には「川越百万灯夏まつり」に合わせて、車内にビールサーバーを設置した「ビール特急」に変身している。

【写真】もう見ることができない、5000系レッドアローの外観デザインを10000系で再現した「レッドアロークラシック」とは?001系ラビューと並んだ姿も
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