西武「ニューレッドアロー」、新宿線変革の立役者 特急「小江戸」とともに登場、後継はライナー型

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2019年3月、新型車両001系ラビューが登場。翌年3月以降は、基本的に定期運用は池袋線が001系、新宿線が10000系という役割分担となっている。

7両編成計12本が製造された10000系も順次廃車が進み、現時点で残るのは5本のみ。先代の5000系と同様、富山地方鉄道に譲渡され、3両編成の「20020形(キャニオンエキスプレス)」として第2の人生を送る車両もある。

西武鉄道 10000系
同じ10000系でも左の10112編成と右の10109編成は仕様が異なる(記者撮影)
【写真】個性が強い先輩の「5000系レッドアロー」、後輩の「001系ラビュー」と比べると華やかさはないかもしれないが、シックなデザインで活躍の場を広げてきた「10000系ニューレッドアロー」の外観や運転席、客室内を見る

ライナー車両に置き換え

西武鉄道は2025年度の鉄道事業設備投資計画で、沿線価値向上の施策の1つとして「新宿線有料着席サービスの刷新」を掲げた。10000系については「ライナー型車両に置き換え、停車駅など運行形態も変更しサービスを刷新」するという。

ライナー型車両は2026年度中の運行開始を予定するが、同社によると「10000系の今後の活用については、現状決まっていることはない」という。

新宿線では6月に東村山駅周辺の下り線が高架化、上り線も2027年度末の完成を目指して高架化工事が進む。中井―野方間と井荻―西武柳沢間でもそれぞれ地下化、高架化の連続立体交差事業が進行中。都心側ターミナルの西武新宿駅には東京メトロ丸ノ内線新宿駅と結ぶ新たな地下通路を整備する計画もある。

10000系ニューレッドアローは、先代の5000系レッドアローや、最新の001系ラビューと比べるとシックで質実剛健な印象だが、30年以上にわたって西武鉄道の特急運用を担ってきた。いずれ来る引退もデビュー時と同様、新宿線の転換期を象徴する出来事となりそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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