風邪が「がん再発」の引き金になる?最新研究で判明:ウイルス感染が眠っているがん細胞を目覚めさせる"新事実"《医師が解説》

明らかになった感染症とがん再発のしくみ(写真:Ushico/PIXTA)
がんの治療が終わり、だいぶ年月が経ってから再発することがあります。
なぜ再発するのか、そのメカニズムとしてはこれまで「加齢による免疫の低下」などが考えられてきましたが、コロナ禍によって、ウイルス感染に伴う炎症が、再発に関わっているらしいことがわかってきました。
最新の知見について解説するとともに、予防策についても説明します。
がんはなぜ治りにくいのか?
がんの特徴的な性質は、「浸潤(しんじゅん)」と「転移」です。
浸潤とは、がん細胞が周囲の正常な組織へにじみ出るように広がること。転移とは、がん細胞が血液やリンパ液の流れに乗って、まったく別の臓器に広がることです。転移があると、がんが生じた臓器を手術で切り取っても、がんを完全になくすことができないため、治療法や予後に大きく影響を及ぼしてしまうのです。
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