石破首相の辞意表明で株価が上がる皮肉、最高値の日米株価に潜む「2つのトランプリスク」

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ここから先はおなじみの競馬コーナーだ。

週末の3連休(13~15日)は、ローズステークス(阪神競馬場・芝1800m・11R・14日)とセントライト記念(中山競馬場・芝2200m・11R・15日)という2つのG2レースが行われる。前者は3歳牝馬による秋華賞トライアル、後者は3歳牡馬による菊花賞トライアルであり、いずれも3歳牝馬・牡馬クラシックレース最終戦に向けての「最後の関門」となる。

2つのG2レースとも、1番人気馬を買うべきか悩むところ

前者はオークス馬カムニャック、後者は皐月賞馬ミュージアムマイルが出走する。いずれも堂々の一番人気となっているが、そのまま買っていいかどうかは少し悩むところだ。

なんとなれば、カムニャックは前走のアンドレアシュ・シュタルケ騎手から川田将雅騎手に、ミュージアムマイルはダミアン・レーン騎手から戸崎圭太騎手への乗り替わりとなる。いずれも短期免許の外国人騎手からベテラン日本人騎手へと鞍上が交代するのだが、ここをどう評価すべきか。

ここで強力な武器をご紹介しよう。競馬予想家のTAROさんがこのたび『道中の動きが見えてくるジョッキー事典』(サンクチュアリ出版)を上梓された。前作『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』から5年、最新の「忖度なしの騎手評論」が読めてしまう。これはお役立ちだ。

『ジョッキー事典』(TARO著)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

新著は「日本競馬界をリードする七人衆」として、クリストフ・ルメール、川田将雅、戸崎圭太、坂井瑠星、横山武史、松山弘平、武豊という7人の名前を挙げている。この選択は多くの競馬ファンが納得するところだろう。さて、川田騎手と戸崎騎手をどう見るべきか。

同書に曰く。戸崎騎手は「基礎技術が高いので乗り替わりに強く、どんな馬でも自分の形で手のうちに入れてきます」「ルメール騎手や短期免許の外国人騎手が騎乗していた素質の高い有力馬が回ってくる“代打の切り札”という面があり、昨年の有馬記念を制したレガレイラ、モレイラ騎手が騎乗し桜花賞を制したステレンボッシュなど、直近でも同様の乗り替わり例は多数あります」という。なるほど、「困ったときの戸崎さん」ということで、ミュージアムマイルの騎乗も回ってきたらしい。これはセントライト記念を考えるうえでの応援材料と言えよう。

それでは川田騎手はどうか。好敵手のルメール騎手が長距離を得意とするのとは対照的に、短距離やマイル戦を得意とする。「常に勝負にいる位置にいてくれる上に、馬群もスムーズに捌けるのが強みです」とある。また「直線が長いコースよりは小回り」「外枠より内枠」「芝よりダート」を得意とするとある。言われてみれば「なるほど」である。

この分析を素直に読むと、阪神1800mのローズSはかならずしも川田騎手が得意とするコースではない。死角があるとまでは言えないが、あえてカムニャックを強調する材料でもないことになる。うむ、参考になるではないか。

そうでなくても、「困ったときは騎手で買う」のは、多くの人が実践しているところであろう。本書はさらに「レース展開を左右する主力32人」と「馬券検討に欠かせない個性派34人」にまで検討を加えている。この『ジョッキー事典』を紐解くと、競馬の奥行きが深まること請け合いだ。熟読玩味して、レースに備えることにしたい。

※ 次回の筆者は小幡績・慶応義塾大学大学院教授で、掲載は9月20日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
かんべえ(吉崎 達彦) 双日総合研究所チーフエコノミスト

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Kanbee

吉崎達彦/1960年富山県生まれ。双日総合研究所チーフエコノミスト。かんべえの名前で親しまれるエコノミストで、米国などを中心とする国際問題研究家でもある。一橋大学卒業後、日商岩井入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員や、経済同友会代表幹事秘書・調査役などを経て2004年から現職。日銀第28代総裁の速水優氏の懐刀だったことは知る人ぞ知る事実。エコノミストとして活躍するかたわら、テレビ、ラジオのコメンテーターとしてわかりやすい解説には定評がある。また同氏のブログ「溜池通信」は連載500回を超え、米国や国際政治ウォッチャー、株式ストラテジストなども注目する人気サイト。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『アメリカの論理』(新潮新書)など多数。競馬での馬券戦略は、大枚をはたかず、本命から中穴を狙うのが基本。的中率はなかなかのもの。

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