日立グループの強みを生かし、コマツと肩を並べたい--日立建機社長・辻本雄一
──部品の調達先は、国内、海外でどのように使い分けますか。
たとえば建機の油圧機器については、中国勢もまだ日本製を使っている。つまり、まだ海外に高品質なものを作れるメーカーがないということだ。エンジンも単体で買ってきて付けるわけではなく、当社が使う油圧機器に合わせて設計してもらう必要がある。ここには取引先とのすり合わせの技術があるので、今後も基幹部品は、内製したり取引先と協力したりして日本でやっていく。
それ以外の部品は、海外調達品のほうがかなり安い場合もあるので、高品質で安定的な供給が可能なら海外調達に切り替えていく。
──ブラックボックスとして日本に残るものはありますか。
ある。日立グループの中でやっているのがわれわれの強み。グループ内で調達した部品は、グループ内でブラックボックス化できる。
──中国市場で台頭する地元メーカーをどう見ていますか。
非常な脅威だ。中国現地法人の社長を務めていた5年間、中国勢のシェアは数%しかなかった。それが40%近い比率になっている。足元は金融引き締めで建機市場が落ち込んでいるが、需要が回復したら韓国勢も含めてまた熾烈な戦いが始まる。全世界で見ても、過去のように日立建機、コマツ、キャタピラーが油圧ショベルで2割ずつシェアを分け合うという形は崩れてくるだろう。