iPhone Airは自社設計モデム「Apple C1X」を採用するなど、基本性能の向上を重視。アップルが薄型を投入した理由とは

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一方で、他のスマホメーカーが強調する「AI機能」はほとんど語られなかった。アップルはAIによるSiriの改良について、来年搭載とのコメントを出している。そのため、このタイミングではまだ、「Apple Intelligenceでどこまで便利になるのか」という価値をアピールしづらい状況にある。AirPods Pro 3を使った「ライブ翻訳」もアピールしたが、例外的なところだと思う。また、こちらも残念ながら、日本語のサポートは「年内」とされていて、9月から使えるわけではない。

ライブ翻訳機能。日本語は年内に利用可能になる(筆者撮影)

AI機能に関しては「出遅れ」感あり

他社がAIのトレンドを追う中でスマホの基本的な部分をアピールするのは良い判断だと思うが、逆に言えば、アップルは業界が注目するAIという武器を使えていない、という話でもある。そのことをマイナスに捉えれば「出遅れ」となる。だが正直、どこも「AIのキラーアプリ」を見つけられていない以上、今日の段階ではこの作戦でいい……という見方もできるだろう。

今回の4モデルがどう売れるかは、消費者がスマホに何を実際に求めるのか、AI機能に対する「肌感」を測るのに良い試金石になりそうだ。

西田 宗千佳 フリージャーナリスト

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にしだ むねちか / Munechika Nishida

得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、『アエラ』『週刊朝日』『週刊現代』『週刊東洋経済』『プレジデント』朝日新聞デジタル、AV WatchASCIIi.jpなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。著書に『ソニーとアップル』(朝日新聞出版)、『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)、『スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場』(アスキー新書)、『形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組 』『電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ』『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(すべてエンターブレイン)、『リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ』(TAC出版)、『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』(共著、徳間書店)、『災害時 ケータイ&ネット活用BOOK 「つながらない!」とき、どうするか?』(共著、朝日新聞出版)などがある。

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