iPhone Airは自社設計モデム「Apple C1X」を採用するなど、基本性能の向上を重視。アップルが薄型を投入した理由とは

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今回アップルはなぜ薄型モデルを作ったのか? 下世話な話をすれば、ディスプレイが大きいスタンダードモデルだった「Plus」シリーズを継続するよりも、もっと差別化できて単価の高いシリーズの方が良い……という話はあったのだろう。

差別化された製品が欲しい人の中には、性能が違う「Pro」製品を求める人もいれば、デザイン面で差別化されたものを求める人もいる。特に今年の「Pro」は、発熱も下がりカメラやゲームをヘビーに使う消費者の方向を向いた製品になっている。そうでないバリエーションを必要とした、というのは間違いない。

iPhone Airに隠れた「アップル独自チップ」

他方で、iPhone Airの中身を見ると、たしかに今までのiPhoneとは違う部分が多々ある。

その最も大きな要素が、携帯電話網での通信用チップに、自社設計の「Apple C1X」を使っていることだ。

通信用チップは、スマートフォンの安定動作や消費電力に大きな影響を及ぼす。iPhone 17シリーズを含め、他のiPhoneの多くはクアルコム製の通信用チップを採用している。これまでの動作実績が多く、大量に生産・流通させる場合には安心感があるからだ。

一方、アップルはその方針を変えたい、という本音がある。消費電力をさらに最適化するには、自社で設計してOSと連携を取りやすい通信チップの方が良いからだ。また、大量に作るという前提であれば、他社チップでなく自社設計チップの方がコストは下がる。

そのため、今年春発売の「iPhone 16e」では、初の自社設計通信チップ「Apple C1」を採用した。今回、薄型で新規設計部分の多いiPhone Air向けには、新規設計の「Apple C1X」を採用している。

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