加齢+運動不足で衰えが加速→「まずは階段を使うことから」40代から始められる、集中力を高め生活習慣病のリスクを減らす運動習慣の作り方

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使えば反応し、整えれば回復します。「動けば、体は応えてくれる」のです。

“動ける未来”をつくるのは、今この瞬間です。

体力は、“使った分だけ育つ貯金”のようなものです。どんなに高性能なスマホを持っていても、電源(体力)が切れていては使えません。

同じように、どんなにお金や知識があっても、それを使いこなせる体がなければ、人生は楽しめないのです。

● 旅行に行きたいけど体がついていかない
● 孫と遊びたいけどすぐ疲れてしまう
● 趣味を続けたいけど膝や腰が痛い

こんな状態では、生活の質(QOL)は確実に下がってしまいます。

だからこそ、“健康寿命”を延ばすには、今から動き出すしかないのです。

そしてその一歩は、大きなものである必要はありません。

エレベーターを階段に変える、バス1駅分歩く、毎朝ラジオ体操をする、というように小さな行動を重ねることでも、体は確実に変わります。

運動は、未来の自分にプレゼントできる最高の投資です。

それは「老後の不安を減らす手段」であると同時に、「今をもっと楽しむ力」でもあります。健康は待っていても戻ってきません。けれど、動けば必ず応えてくれます。今この瞬間から、自分のために体を動かす習慣を始めましょう。

「体力おばけ」になるか、「寝たきり予備軍」になるか?

その分かれ道に、私たちは今、立っているのです。

運動は「脳の栄養」でもある

運動は、ただ体を引き締めたり体重を減らしたりするためのものではありません。

本当の目的は、人生の質を高めるための“土台”をつくることにあります。

私たちの体と心は密接につながっており、運動によって体力を維持・向上させることは、心の安定や脳の働きにも大きく関係しているのです。

たとえば、運動には脳を活性化する力があります。筋肉や骨を維持することは、転倒や寝たきりの予防に直結しますが、それだけではありません。全身の血流が促進されることで、脳への酸素や栄養の供給がスムーズになり、集中力・判断力・記憶力などの認知機能が高まることが、国内外の研究で明らかになっています。

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動をすることで、仕事や家事の合間でも「頭が冴える」「スッキリする」と感じる人が多いのは、科学的にも正しい反応です。このとき、脳内ではさまざまな物質が分泌されています。

特に注目されているのが、セロトニンとBDNF(脳由来神経栄養因子)という2つの脳内物質です。

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