溺れる人を助けようと夫は川へーー。"救助死"で夫を亡くした女性が訴える《水辺の危険と命の守り方》、水難事故は夏だけじゃない

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そして万が一、溺れた人を見かけた場合は、夫のように装備もなく水に入って助けに行くのではなく、浮くものやロープを投げるなど陸上からできる救助を行いながら119番(海の場合は118番)通報をすることを忘れないでほしい。

水難事故が起きやすい時期が長期化

気象庁は9月1日、今夏(6~8月)の日本の平均気温が過去30年の平均値(基準値)を2.36度上回り、1898年の統計開始以降最も高かったと発表した。猛暑日の地点数も2010年以降の最多記録を塗り替えたという。気温の高い期間が長期化していると言える。

筆者が本稿を執筆している9月初旬も全国で気温30度を超える真夏日が続いており、開設の延長を決めた海水浴場もある。一般的に水のレジャーシーズンが終わるとともに水難事故も減るが、人々が水辺に行く期間が長くなることで、水難事故のリスクも増加する。

すでに来年以降も暑い夏になると言われており、「水の事故」の予防・啓発は年間を通じて続けることが必要だ。一人一人が注意することで、不幸な事故で生命を失う人がなくなるよう願ってやまない。

岡 真裕美 大阪大学大学院人間科学研究科安全行動学研究分野 特任研究員

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おか・まゆみ / MAYUMI OKA

子ども安全講師、大阪大学大学院人間学研究科特任研究員、大阪総合保育大学非常勤講師。

2002年 奈良女子大学文学部卒業後、電機メーカーに入社。結婚、出産後転職し、2人の子どもを育てながら中学高校の国語科教員として勤務していた2012年、夫が川で溺れている見ず知らずの子どもたちの救助にあたり亡くなる。

このことをきっかけに事故予防や安全意識啓発にあたる専門家の道を志し、事故の翌年、大阪大学大学院へ進学。子どもの事故予防で修士課程を修了後、啓発と情報発信を精力的に展開している。

各地で子どもの事故予防に関する研修・講演に登壇、テレビやラジオで水難や子どもの事故のニュース解説者として出演。朝日放送テレビ「おはよう朝日です」火曜日コメンテーター。

著書に『事故・ケガで我が子を死なせないために 子どもを全力で守る本』(いそっぷ社)。

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