溺れる人を助けようと夫は川へーー。"救助死"で夫を亡くした女性が訴える《水辺の危険と命の守り方》、水難事故は夏だけじゃない

河川は自己責任の中での自由使用が原則のため、たとえ行政が危険を把握していても十分に安全対策がなされていない箇所が多い。市民が水と親しめる場所として整備された「親水エリア」と呼ばれるような場所でも同様だ。
一方、中には「立ち入り禁止」や「注意喚起」のアナウンスがされている河川もある。
筆者の夫が亡くなった河川にも看板を立てたというのは述べたとおりだが、自由使用が原則の河川において、そのような対策が行われているというのは、「周知しなければいけないほど危険」ということだ。このようなアナウンスがある川へ入るのは控えたほうがいい。
上流での天気急変にも注意
上記を踏まえ、安全な場所かどうかを確認し、安全が保たれる範囲で活動してほしいのだが、川の場合は上流でゲリラ豪雨などがあると、自分の周囲は晴れていても急に水位が上がることがある。そのため周辺の天候もチェックすることを忘れないでほしい。
だいぶ啓発されてきたが、大人も子どもも水辺ではライフジャケットなどの救命具を身につけることも基本だ。成長するとライフジャケットの着用を敬遠するようになるため、幼少期からの習慣化が望ましい。
また当たり前だが、子どもと行く場合は子どもから決して目・手を離さないこと。特に、複数の子どもを少ない大人で見守るには限界がある。これまでにも子ども会や習い事の行事で川を訪れ、遊んでいた子どもが亡くなる事故が起きている。引率する大人は責任の重さを自覚し、安全管理を徹底してほしい。
河川敷のバーベキューをするときも、子どもの見守りに従事する人を決めること。子どもだけで遊ばせ、そのうち帰ってくるだろう、誰かが見ているだろうという思いは捨てなくてはならない。
大人であっても水難事故は多発している。「飲酒後は水に入らない」「持ち物が流されても水に入って追いかけない」が命を守る基本となる。
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