「これ絶対記憶あるって」「もうエンタメだろ」との心ないコメントも…島根で発見《記憶喪失の男性》をめぐる反応に"決定的に欠けた視点"

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このように記憶喪失の本人とその家族は第三者が知りえない難しさを抱えているケースがほとんどだけに、つかず離れずのほどよい距離感から見守るようにしたいところ。ましてや、ネットを使って離れたところからネガティブな声を浴びせるようなことは避けるべきでしょう。

また、もう1つ今回の報道をきっかけに考えたいのは、記憶喪失そのものについて。筆者の相談者さんにもいたように、報道されていないだけで「ドラマの中だけの話」とは言い切れず、自分と周囲の人にも起こりうることとして少し学んでおいてもいいのではないでしょうか。

記憶に関わる学びのきっかけに

今回報じられた記事のコメント欄を見ていると、「解離性健忘だろう」「解離性遁走ではないか」「記憶にかかわる脳の病気を調べたほうがいい」などの書き込みが散見されました。ここではその内容を書きませんが、これらを検索するだけでも当事者への理解が進み、心ないコメントの抑制にもつながるでしょう。

今回のニュースは「人間が生きていくうえでいかに記憶が大切なものなのか」を教えてくれるようなニュアンスが感じられました。

自分がどんな人間であるのかを知り、周囲の人やこれまでの経験を覚えていることが、生物としてどんなに素晴らしいことなのか。日ごろからその大切さを記憶して日々を過ごしたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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