「問題はそこ?」 確かに違法行為はなかったかもしれないが…サントリー新浪剛史氏「潔白主張」の"開き直り会見"に覚えた違和感
会長を辞任したのは、「大好きなサントリーに絶対迷惑をかけてはいけない」という理由からだと話し、一方で経済同友会の代表幹事については、一度辞めようと思ったといいますが「同友会には会員倫理制度などしっかりとしたガバナンスの仕組みがあり、透明性の高いガバナンスに委ねるのが正しいと判断した」ということでした。
それぞれの職務を辞任する・しないを判断した理由には矛盾は感じられませんでした。また、この会見は経済同友会の定例会見であって、新浪氏の謝罪会見ではありません。そのスタンスを貫いており、理路整然と語っている印象を受けました。
では、この会見は成功だったといえるのでしょうか?
さまざまな不祥事やスキャンダルの会見を見てきた私ですが、2日のサントリーHDによる会見、3日の経済同友会の会見のいずれも、非常にジェントルで穏やかに進んだ印象です。
フジテレビ問題のときのように、荒れに荒れる炎上会見も少なくない中、全体的におとなしい、粛々とした進行だったといえるでしょう。
それでも最後まで見た私の印象は、新浪氏の“証拠がないから潔白だ”という開き直りのような姿勢への疑問でした。新浪氏に問われているのは「有罪か無罪か」ではないのではないか、というモヤモヤした疑問が残ったのです。
新浪氏の会見に抱いた「疑問」
新浪氏による経緯説明は、一応の筋は通っていると感じました。ただ、疑問に感じた点はいくつもあります。
まず第1に、日本を代表し、サプリメントも生産する食品メーカーの会長という立場でありながら、「著名な健康アドバイザー」という人間からの勧めで外国製サプリメントを飲んでいるというのがやはり引っ掛かります。
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