「朝だけ断食」「週末だけ断食」効果の本当のところ…気をつけるべき点は何か

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具体的には、オートファジーが活性化され、古くなったタンパク質や細胞内の不要物が分解・再利用されます。また、体はエネルギー源をブドウ糖からケトン体へと切り替え、脂肪燃焼を促進します。

これらの変化は、エピゲノムを介して炎症や代謝にかかわる遺伝子の発現を調節し、全身の抗炎症作用や抗老化作用につながると考えられています。

一方、実際に間欠的ファスティングがどれほど有用かは、ヒトでの研究結果を基に議論されます。

ヒトにおいても、「間欠的ファスティングを行うvs普通のカロリー制限を行う」ことをくじ引きで決め、一定期間後の体重変化量を測定する、という実験が、いくつも行われてきました。

これらを解釈するのに重要なのは、「間欠的ファスティングを行った期間」です。

ある有名な研究では、14週間で間欠的ファスティングにて3.7kg、通常のカロリー制限で0.9kgの体重減少が認められました(※2)。このような研究をまとめた解析では、「高い信頼性で」間欠的ファスティングはダイエット効果に有効だ、と結論づけています(※3)。

しかし、このようなエビデンスが独り歩きしている印象があります。これは「間欠的ファスティングを行った期間」を無視しているのです。

1年以上の期間での検証結果

私が知っている限り、1年以上の期間で間欠的ファスティングの効果を検証した研究は7つほどあります。数週間や数カ月で体重減少効果が得られても、それが続かなければ健康効果は得られないので、このような長期のエビデンスのほうが重要です。

なんとそのうち、普通のカロリー制限と比較し、間欠的ファスティングによる追加的な体重減少効果を示したのは1つしかありません(※4)。

すると、なぜその研究ではファスティングの効果が示されたのか議論することが重要となります。

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