跋扈するヘッジファンド、株式市場に再び暗雲も


欧州はもっと深刻だ。ECBによる資金供給や、債務問題国への救済基金を準備したESM(欧州安定化メカニズム)の発足へ向けた体制整備で、金融危機の波及は防いでいる。だが、為替による調整ができない中、厳しい財政緊縮と、銀行の不良債権の処理という重荷に、南欧の経済は耐えられないとみられ、イタリア、スペインの経済への不安が高まっている。

さらに、中国も問題を抱える。急激な成長の下で拡大した格差の是正のために、経済を輸出依存から内需主導に転換することや、不動産バブルを軟着陸させることが喫緊の課題だ。中国政府はインフレ抑制も重視し、GDP成長率の目標を8%から7・5%に減速させたが、中国に世界経済の牽引役を期待する市場関係者から見れば、これもマイナス材料になる。

追加の金融緩和があれば再び相場は上がるかもしれないが、シーソーゲームは繰り返されるだろう。

(大崎明子 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年4月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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