福岡県警、新浪氏の自宅を麻薬取締法違反の疑いで捜索…違法成分含む製品は見つからず

飲料や健康食品など幅広い事業を手がける「サントリーホールディングス(HD)」の新浪剛史会長(66)の辞任が2日、突然発表された。違法成分を含むサプリメントに絡んだ疑いが浮上したとして、警察の捜索を受けた新浪氏。著名な財界人の辞任に驚きが広がった。
捜査関係者によると、麻薬取締法違反などの疑いで、福岡県警などが新浪氏の自宅を捜索したのは8月22日。大麻由来の違法成分「テトラヒドロカンナビノール(THC)」を含んだ製品を巡る密輸事件の関係先としての捜索だったという。
この事件では、県警が8月上旬、違法な製品を密輸したとして県内の男を逮捕。男は製品は米国から届いたもので「新浪氏に送るよう(送り主に)依頼された」と供述した。
新浪氏宅の捜索で製品は見つからず、本人は当日の事情聴取に関与を否定し、「勝手に送ってきたのではないか」などと説明した。製品について「日本で使用したことはないが、米国で使用したことがある」という趣旨の話もしたが、捜索時に行った尿検査では薬物の陽性反応は出なかったという。
県警は今後、新浪氏の刑事責任を問えるか慎重に捜査を進める方針だ。
八田進二・青山学院大名誉教授(企業統治)の話 「サントリーは、疑惑を持たれた段階で会社の信頼が失墜すると判断し、緊急記者会見に至ったのだろう。事案の詳細は明らかになっていないが、財界で企業統治について厳しいメッセージを発信してきた新浪氏だけに、自らの言葉で説明する責任がある」
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