Z世代が中国発「ラブブ」にハマる理由──「かわいい」だけじゃ説明できない、"共感される個性"の正体

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事例③CASETiFY

CASETiFYは香港とロサンゼルスを拠点に設立された国際的なテックアクセサリーブランドで、スマートフォンケースを中心に多彩なアクセサリーを展開している。

特徴は豊富なデザインとカスタマイズ性で、ユーザーはケースに文字や写真を入れて自分だけのオリジナルケースを作ることもできる。そしてカメラ周りにCASETiFYの文字が入っているため一目でブランドがわかる。

CASETiFY
@It-too(YouTube)提供

CASETiFYが流行した背景には、発信の多層的な広がりがある。最初はカイリー・ジェンナーのような海外インフルエンサーが愛用している姿がSNSで注目を集め、トレンドとして認知された。

多くの人が使うスマホケースに

しかしZ世代にとって決定的だったのは、身近な友人やクラスの中のおしゃれな同級生が使い始めたことだ。Z世代は遠い存在の有名人よりも、“自分でもなれそうな”距離感の人に強く影響を受ける傾向があり、CASETiFYもそうした共感の連鎖によって急速に定着していった。

多くの人がこのスマホケースを使っているが、デザインも豊富にある上に自分でカスタムできるため個性がありつつ、有名人や友人と同じブランドを使っているという共通点を持つという“共感される個性”としてのいい例だといえるだろう。

完全にオリジナルを作り出すのは一般人にはできない。でも、誰かの“まるパクリ”ではつまらない。「誰かと似てるけど、ちょっとだけ違う」そんな絶妙なポジションを求める心理が、今のZ世代たちの表現や選択の裏側にあるのだ。

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