Z世代が中国発「ラブブ」にハマる理由──「かわいい」だけじゃ説明できない、"共感される個性"の正体

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

とはいえ、Z世代は決して完全なコピーになることを望んでいるわけではない。あくまで参考にしながら、自分なりのアレンジや差別化を行い、「似ているけれどちょっと違う」という絶妙なバランスを取り、自分らしさを演出しようとしている。

「共感されたい」「浮きたくない」といった同調欲求と、「自分らしさを出したい」という相反するニーズが共存しているのだ。

この“共感される個性を持った”自分になりたいという欲求は、Z世代のファッション、消費行動、SNSでの発信スタイルなどに広く見られる傾向だ。具体的にどのような現象として現れているのか、以下で3つの事例を取り上げる。

一時的な人気で終わらなかったラブブ

事例①LABUBU(ラブブ)

ラブブは、中国発のデザイナーズトイブランド「POP MART」のキャラクターだ。動物のようなフォルムと毒っけのあるユニークな表情が特徴のフィギュアで、今、日本のみならず、世界中で大ブームになっている。

2024年、BLACKPINKのタイ出身のリサがInstagramストーリーでラブブを紹介し、「ラブブは私のベイビー」と語ったことをきっかけに、タイで火がつき、その後、世界でも一気に話題となった。

LABUBU ラブブ
(@off_0325提供)

その人気は一時的な“リサ効果”で終わらなかった。リサの投稿に反応したZ世代のインフルエンサーや一般ユーザーが、「マネして買ってみた」「部屋に飾ってる」「リュックにぶら下げてる」など、日常の中でラブブを取り入れる様子をSNS上で発信。その投稿群が、“私にも似合いそう”“自分もやってみたい”と共感を呼び、“自分でもできる範囲のオシャレ”として定着していったのだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事