Z世代が中国発「ラブブ」にハマる理由──「かわいい」だけじゃ説明できない、"共感される個性"の正体

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さらに、ラブブは「ブラインドボックス形式」(中身は開けるまでわからない)や、季節限定・コラボ限定シリーズを展開しており、コレクション性の高いそうした販売スタイルもZ世代の心をとらえている。

「ラブブだけれどみんなまったく同じものを持っているわけじゃない」という独自性が、周囲とつながりながらも、少しだけ違うというZ世代の理想的なバランスにマッチしているのだ。この絶妙な立ち位置こそが、Z世代にラブブが受け入れられた最大の理由であると考えられる。

ABEMAの恋愛リアリティ番組からトレンドに

事例②もんた界隈

TikTokを中心に広まった「もんた界隈」は、ABEMAの恋愛リアリティ番組「今日、好きになりました。」に出演していた高校生・もんた(藤永紋太)さんの投稿を起点に流行したミーム文化である。

特徴的なのは、机の上に足を乗せ、無表情で自撮りをするという一連のスタイル。斜め下からのアングル、ブレた構図、エモいBGM、こうした要素がテンプレート化し、Z世代の間で“もんたっぽさ”をマネした動画投稿が続出している。

モンタ界隈
(@tatty_ryutty提供)

このような「もんた界隈」の広がりは、単なる模倣にとどまらず、各投稿者が自分なりの工夫を加えることで個性を表現できる点に特徴がある。足の置き方やカメラの角度、BGMの選び方、さらには加工のスタイルなど、共通のフォーマットを守りつつも細部で“自分らしさ”を出すことができる。

その結果、同じテンプレートを使っていても一人ひとりの投稿に違いが生まれ、コミュニティ全体で「似ているのに違う」という独特の面白さが共有されている。これは、Z世代が大切にする“個性と同調の両立”を体現した現象ともいえる。

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