「二郎系ラーメン」は"恐怖の館"? 怖くて行けないZ世代がハマる疑似体験の中身

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Z世代は、味や文化を体験したい一方で、普段のイメージとは違うような行動(例:かわいい見た目なのに二郎系を豪快に食べる)をSNSで発信し、そのギャップで注目を集めたいという欲求と、「独特な文化やルールを気にせず、失敗や恥を避けて食事をしたい」という両方の心理が強い傾向にある。

左から藤井涼花(桜美林大学教育探究科学群3年)、白幡円佳(立教大学文学部文学科4年)、森川有咲(お茶の水女子大学文教育学部人間社会科学科4年)

しかし、二郎系ラーメン独特の注文方法や店内の空気感といった“暗黙のルール”が心理的ハードルとなり、憧れはあるものの、実際には足を運びづらいZ世代女子も少なくない。

こうした背景から、事例のような本家の象徴的な要素(豪快な見た目・ニンニク・濃い目の味付け)は残しつつ、ルールやプレッシャーを省いた “二郎系風”コンテンツがトレンドとなっているのだ。

このトレンドは、心理的ハードルの高い文化を、初心者やライト層でも楽しめる形にアレンジして提供することで、新しいファン層を獲得できることを示している。

Z世代の安全志向に応えるために

現役女子大生たちによる「派生系二郎」についてのレポートはいかがでしたでしょうか?

長らくZ世代研究をしてきた私が、彼らと日々接していて感じるのは、「リスクをとってプラスを得たい」と思うよりも「マイナスを作るくらいならプラスマイナス0でいた方がいい」という「安全思考」な人が増えている、ということです。

かつてであれば、たとえば、漫画「課長 島耕作」などを読み、ちょっと背伸びをしてバーに飛び込んでみる(リスクをとってでもかっこいい大人の文化を経験したい)という若者も多かったように思います。

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