猛暑の夏、なぜ「エクシブ」が人気? "会員制ホテル"の知られざる利用実態と価格動向

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価格は、インバウンド需要などを含めた他のラグジュアリー施設の高価格化に対して割安感や安心感がある。また、法人需要が高まり、従業員の福利厚生としてのニーズも上昇傾向にあることから、「エクシブの一部の商品では、直近2~3年で20%程度価格が上昇しています(当社販売価格の改定をしている)」とのことだ。

最後に「エクシブ」の残された課題を聞いてみた。顧客からの満足度は総じて高いが、一部には老朽化した施設や設備に対する不満の声もあるようだ。また一般のホテルに比べて繁忙期の混雑は避けられる傾向にあるものの、さらなる混雑緩和を求める声もある。

「開業年数が古い『エクシブ』については、今後はご利用ニーズに合わせてリニューアルやリモデルを行っていく予定です。会員様のご意見を聞きながら検討していきます。

また、混雑の緩和につきましては、それぞれの会員様に対して繁忙期の利用機会が平等になるようにしていますが、平日限定のお得なプラン設定なども用意しています」

派生ブランドも展開

消費者意識の変化に対しては、さまざまな派生ブランドで対応している。「グランドエクシブ」シリーズではゴルフやクルーザーなどのアクティビティニーズを取り込み、「サンクチュアリ・ヴィラ」シリーズは夫婦2人で静かに過ごすニーズにも対応したという。近年は施設ごとのテーマ性を強めた「サンクチュアリコート」ブランドの開発に力を注ぐ。

会員制ホテルは、混雑を避けたい人には使い勝手がよい。事前に利用経験のある人に聞いたり、ネットで情報収集を行い、余裕のあるスケジュールを組めば満足度も高まるだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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