中国の本当の成長率は3%程度にすぎない ズバリ聞く!中原圭介の2016年経済予測

✎ 1〜 ✎ 51 ✎ 52 ✎ 53 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その結果、中国の製造業では人件費の重い負担に耐え切れず、2013年の後半あたりから倒産や廃業が増加の一途をたどっています。おそらく、そのピークは2015年~2016年に訪れることになると思いますが、その時には中国全土の失業者数は1億人を優に超えているのではないでしょうか。

三井:中国の苦境はまだ終わらないということですね。

中原:そうですね。今後の中国経済の舵取りには、相当な困難が付いて回るものとなるでしょう。中国経済をソフトランディングさせるには、最低でも5年単位の時間が必要ですし、通常は10年単位の時間がかかってもおかしくはないのです。

つねに緊張を強いられている習近平

三井:最後に、中国の権力闘争についてどのようにお考えですか。

中原圭介(なかはら けいすけ)/アセットベストパートナーズ代表 幅広い視点から経済や消費の動向を分析、熱烈なファンが多い

中原:目下のところ、習近平は熾烈な権力闘争で命を狙われながらも、元国家主席である江沢民の一派や前国家主席である胡錦濤の一派を次々と汚職罪で摘発し、強い権力基盤を確立しようとしています。最終的な狙いは江沢民であることに間違いないでしょうが、そこまでたどり着けるかどうかは誰にもわからないことです。

それほどまでに、中国共産党における権力闘争は苛烈を極めているということです。その証拠として、習近平は何らかの行事で多くの人前に姿を現す際、いったん配置した数百人もの警護要員を直前に総入れ替えさせることがあるといいます。警護要員の中にも裏切り者がいるかもしれないと疑っているのです。

習近平にとって困難なのは、権力闘争で暗殺される危険性がある中で、民衆の不満も和らげなければならないということです。経済の減速や格差の拡大、汚職の慢性化に加えて、今では株価の暴落までもが共産党独裁体制を危うくしているので、習近平はどうにかして民衆の支持を拡大するべき施策を考え続けなければならないからです。    (撮影:梅谷秀司)

第3回は「日本経済・円相場編」です

 

三井 智映子 オフィスはる代表、イベントス代表 金融アナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みつい・ちえこ / Chieko Mitsui

フィスコリサーチレポーター。 NHK教育「イタリア語会話」でデビューし女優として活動。2013年、講談社より『最強アナリスト軍団に学ぶ ゼロからはじめる株式投資入門』を出版し、「美人すぎる金融アナリスト」として話題に。わかりやすい初心者向けの投資解説やセミナーを得意とする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事