中国の「一帯一路」向け投資額が過去最高を更新 2025年上半期は18兆円超、前年同期の2倍に急増

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一帯一路の関連投資は金属資源分野でも顕著に拡大し、2025年上半期の投資総額は249億ドル(約3兆6882億円)に上った。そのうち約120億ドル(約1兆7774億円)が中央アジアのカザフスタンのアルミ資源、約75億ドル(約1兆1109億円)が同じくカザフスタンの銅資源への投資だ。

中国企業は中央アジアでの金属資源開発にも積極投資している。写真はカザフスタンのベクテノフ首相(右端から3人目)と会談する東方希望集団の代表団(カザフスタン政府のウェブサイトより)

再生可能エネルギーやその関連技術も、一帯一路向け投資の新たな成長分野になっている。風力発電と太陽光発電に代表される再生可能エネルギー発電プロジェクトへの上半期の投資総額は97億ドル(約1兆4368億円)、発電装置の新設容量は約11.9GW(ギガワット)に達した。

民営企業が投資の主役

地域別の投資額に目を移すと、アフリカおよび中央アジアへの大型投資が目立つ。上半期のアフリカ向け投資総額は390億ドル(約5兆7767億円)と全体の31.5%、中央アジア向けは250億ドル(約3兆7030億円)と同20.2%を占めた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

注目すべきなのは、中国の一帯一路向け投資の主役が(国有企業から)民営企業に変わりつつあることだ。前述の復旦大学のレポートは、上半期の企業別投資額の上位3社として(飼料およびアルミ精錬大手の)東方希望集団、(アルミ精錬大手の)信発集団、(太陽光パネル大手の)隆基緑能の社名を挙げた。

中国の一帯一路向け投資は2025年下半期も安定的に拡大する見通しだ。投資分野は引き続き石油・天然ガス、金属資源、再生可能エネルギーが重点になると、レポートは予想している。

(財新記者:趙煊)
※原文の配信は8月13日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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