中国自動車「吉利汽車」、低価格EV武器にBYD猛追 上半期の販売台数47%増、市場シェア10%超え

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吉利汽車の低価格コンパクトEV「星愿」は、2025年上半期の中国自動車市場の車種別販売台数ランキングで首位を獲得した(写真は吉利銀河ブランドのウェブサイトより)

中国の自動車市場で民営大手の吉利汽車(ジーリー)の販売が急伸し、最大手の比亜迪(BYD)を猛追している。

吉利汽車が8月14日に開示した2025年上半期(1~6月)の決算報告書によれば、上半期の販売台数は140万9000台と前年同期比47%増加。その内訳はEV(電気自動車)が前年同期の2.73倍の51万1000台、PHV(プラグインハイブリッド車)が前年同期比61%増の21万4000台、エンジン車が同8%増の68万4000台だった。

EVの販売が突出した伸びを記録したことに加えて、需要が全体的に縮小しているエンジン車でもプラス成長を確保したのは注目に値する。

首位BYDに4ポイント差

販売台数の急増を背景に、吉利汽車の上半期の売上高は1503億元(約3兆805億円)と前年同期比27%増加。その一方、販売が伸びたのは利幅が小さい低価格車が中心だったことから、純利益は92億9000万元(約1904億円)と前年同期より14%減少した。

「中国自動車市場におけるわが社のシェアは、上半期は10.4%と初めて10%を超えた。その結果、首位のBYD(上半期の市場シェア14.8%)との差は4ポイント余りに縮小した」

吉利汽車の桂生悦CEO(最高経営責任者)は決算説明会でそう強調し、BYDに追いつき追い越すことに並々ならぬ意欲を示した。

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