中国自動車「吉利汽車」、低価格EV武器にBYD猛追 上半期の販売台数47%増、市場シェア10%超え

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桂CEOによれば、吉利汽車はエンジン車に関しては(外資系の合弁ブランドを除く)国産ブランドの中でシェア首位を維持している。

一方、EVおよびPHVに関しては2025年上半期に11.4%の市場シェアを獲得。1年前の2024年上半期には首位のBYDに27ポイントの差をつけられていたが、2025年上半期はそれを18ポイントに縮めた。

中国の消費者の低価格志向が強まるなか、中国市場ではコンパクトEVの販売が伸びている。写真は吉利汽車の「星愿」と車種別販売ランキングの首位を競うBYDの「海鷗」

こうした実績をもとに、吉利汽車は2025年の通期の販売目標を271万台から300万台に上方修正した。

消費者の低価格志向に対応

吉利汽車の販売好調の背景には、自動車の買い換えを奨励する中国政府の補助金の効果に加えて、(中国景気が減速する中で)より低価格の商品を求める消費者の「ダウングレード志向」がある。同社が2023年2月に立ち上げたEV・PHVの専用ブランド「吉利銀河(ギャラクシー)」は、競合他社より低めの価格設定でこうした市場ニーズを取り込んだ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

なかでも2024年10月に発売した新型コンパクトEV「星愿」が大ヒットし、2025年上半期の車種別販売台数のランキングで首位を獲得。吉利銀河ブランド全体の上半期の販売台数を、前年同期の3.3倍の54万8000台に押し上げる立役者になった。

とはいえ、販売全体に占める低価格車の比率増加は、利益確保の面では不利になる。吉利汽車の上半期の1台当たり平均販売単価は9万6000元(約197万円)と前年同期より1万4000元(約29万円)目減りし、粗利率は16.4%と同0.3ポイント低下した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月15日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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