《YouTubeチャンネル登録者数32万人超》ピアニスト・石井琢磨が切り拓くクラシック界の「新時代」。最初の動画は再生回数わずか14回だった

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「ピアニストには『孤高型』と『対話型』がいると思っています。以前の僕は舞台の上で人を寄せつけないような『孤高型』でした。でも、YouTubeを始めたことで、本来の自分は『対話型』なのだと気づきました。

一番の変化は“自分のためではなく、お客様のために演奏したい”と思うようになったことです。誰かのために弾こうと思うとモチベーションが上がり、さらに努力できるようになりました。

『本当にこれで満足していただけるのか?』という問いが自分の中に生まれて、眠くても『もう1回練習しよう』『あと30分弾こう』と思えるんです。挑戦することで小さな変化が起き、自分にとってのベストを捉え直すきっかけになるんだと実感しています」

YouTube
(画像:YouTubeチャンネル「TAKU-音 TV たくおん」より)

もう1つ、大きな学びとなったのが、自分が戦う“土俵”を選ぶことの大切さだった。

「僕はYouTubeを主戦場にしたことで、多くの人を巻き込めるようになりました。100の努力が1000の成果につながった感覚があります。『石井さんと一緒にやると楽しそう』と思ってくれる方が増え、チャンスが広がっていきました。

でも、もし土俵が合っていなければ、100の努力をしても成果は1しか出なかったかもしれません。思い切って挑戦したからこそ気づけたことだと思っています」

夢に挑戦する姿を発信

チャンネルでは「サントリーホールでの演奏会」や「ベルリン・フィルとの共演」など大きな目標を掲げ、実際に達成してきた。その姿が、多くの視聴者の応援につながっている。

今後の目標について石井さんに尋ねると、「まずはソロピアニストとして海外公演を増やしていきたい」と語った。そして、もうひとつの夢があるという。

石井琢磨さん
(撮影:谷川真紀子)

「まだ朧げな夢ですが、複数のピアニストを集めて何かできないかなと考えています。オーケストラは演奏者も裏方もたくさんいるので、終演後に皆で労い合うことができます。

でもピアニストは一匹狼が多く、演奏が終わったら1人なんです。僕は人と話すのが好きなので、その“一匹狼たち”を集めてイベントやコンサートにチャレンジすると面白いんじゃないかなと思っています」

【写真】インタビュー中も笑顔が絶えない!石井琢磨さん撮りおろしカットなど(7枚)
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都田 ミツコ 編集者・ライター

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とだ みつこ / Mitsuko Toda

1982年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクションでの勤務を経て、フリーランスに。

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