「大恐慌の前夜に酷似してきた」という声も…。トランプ大統領の"最終シナリオ"

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●選挙制度改革
トランプは、テキサス州で共和党が有利になるよう選挙区の区割り変更を、同州の共和党指導者に働きかけ、選挙制度を改革しようと画策していると報道されている。次の中間選挙で共和党が負けないように様々な選挙改革を実施していると言われている。こうした動きに対抗して、カリフォルニア州のニューサム知事は「不正選挙対策法」の成立を目指して、住民投票を行うと発表している。

●司法制度改革
最高裁で、共和党系の判事が、現在では6対3と多数派を占めているが、それをバックに最高裁以外の判決を重視しない方向で突き進んでいる。さらに、大統領令の指し止め命令を出す判事を「過激左派の精神障害者」と罵るなど、あからさまに批判する。いまやアメリカの司法制度は揺らぎつつあり、判事への脅迫も5年で1000件を超えていると報道されている(日経新聞、「米分断『法の支配』揺るがす」2025年7月16日朝刊)。

この他にも、ディールと称する改革を行っていることで知られているが、問題はその方法だ。法律やこれまでのルールをいとも簡単に破るその手法は、大きな脅威と言える。真偽の分からないフェイクニュースも、毎日のように連発して、その確認に手間取るメディアを翻弄する。

マフィア顔負けのトランプ詐術?

トランプ政治に対しては様々なメディアで分析されているが、トランプ大統領の政治姿勢を示す有名な言葉にTACO(トランプはいつも腰砕け)がある。高関税など、衝撃的な政策を発表するものの、いざ実施になると実施時期の延長や修正を加える。本当は臆病で行動力に乏しいのではないか……。トランプ大統領そのものを揶揄したものとして、最近は反トランプ政治のキャッチフレーズにさえなっている。

また最近では、トランプ政治の象徴とも言えるMAGA(アメリカを再び偉大に)に対応して、グリーンランドを領有しようとしたトランプの意思に対してMAGA(アメリカよ去れ)と表現したフレーズも注目を集めた。トランプの関税政策に翻弄される金融市場に対して、FAFO(好き勝手な決断をすると、痛い目に合う)というフレーズもある。

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