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事業環境の変化に苦しむ【ホンダ】/ゴールドマン・サックス証券・湯澤アナリストが分析する「復活の条件」

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――ホンダに限りませんが、猶予期間をもらったからといってEVで中国勢に勝てるでしょうか。

今、中国勢と戦っても、技術ないしコストで勝ち目がない。もちろん時間があればいいわけじゃないが、新しい技術やコストにトライする猶予はできたと思う。

そうはいっても中国市場で日本を含む海外勢が、中国勢に対して優位性を築くのは厳しい状況だ。だが、中国メーカーでも中国でEVを作るコストに比べて、例えばタイやインドネシアに出て行ってイチからEVを作るコストは高くなる。

中国以外の国で自動車産業がある程度成熟している国は、どこかのタイミングで自国で販売するEVについては自国で生産することを要求すべきだろう。そうなった場合を見据え、ホンダにしろ、日本勢にしろタイやインドネシアで中国勢と戦えるよう努力する必要がある。中国製部品をもう少し使うといった調達方針の変更も検討すべきだろう。

――トヨタ自動車や日産自動車は中国メーカーと組むことで中国市場で戦える価格のEVを投入して盛り返しています。一方、ホンダのEVは高すぎて消費者からそっぽを向かれています。

日本勢は総じて自前技術へのこだわりがあるが、特にホンダはそうしたDNAが強く、中国での新しいパートナーとの協業の遅れにつながった側面は否定できない。また、EVそのものの競争力だけでなく、自動運転機能の急速な普及、それも低価格帯での普及を読み切れなかったのだろう。

――中国市場から撤退すべきでしょうか。

私はそうは思わない。世界一のEV大国で事業を維持することは重要だし、そこで学んだものをグローバル展開につなげていく必要がある。事業体制を縮小するな、と言っているわけではなく、まずは中国で収支が均衡する体制を築くことが先決だ。

2輪事業が高収益の要因は

――ホンダは4輪事業の収益性が低迷する一方、2輪事業は非常に好調です。高収益の要因は何でしょうか?

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