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【独占】ホンダ・藤村CFOインタビュー/「EVで利益率5%を目指す」「挑戦と規律のバランスを取る」

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藤村英司(ふじむら・えいじ)/ホンダ取締役執行役常務、最高財務責任者(CFO)。1970年生まれ。1993年横浜国立大学経済学部卒業、ホンダ入社。2017年事業管理本部財務部長、19年北米地域本部地域事業企画部長、21年執行職、事業管理本部長兼経理部長、22年経理財務統括部長、23年執行役、CFO兼コーポレート管理本部長、24年4月執行役常務、6月取締役(撮影:梅谷秀司)

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2040年に世界で売る新車をすべてEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)にする「脱エンジン」を掲げていたホンダ。しかし、ここ数年で市場環境は激変。当初もくろんでいた、EVを通じた‟第2の創業”にも黄色信号が灯る。本特集では、もがく業界の異端児の全体像を追う。

金庫番としてホンダを支える藤村英司最高財務責任者(CFO)。HV(ハイブリッド車)などガソリン車を主軸とした足元での利益創出とEV(電気自動車)やソフトウェアといった将来の種まきの両輪を回す難しい局面にどう対応するのか。財務の視点から戦略を聞いた。

EV事業の赤字は想定以上に大きくなった

――もともとEV事業については当面、赤字想定だったと思いますが、ここまでの赤字拡大は想定外でしたか。

1年半前に想定していた以上に赤字が大きくなったのは事実だ。粗利ベースではトントンくらいで、研究開発費分が赤字になるとは考えていた。販売が伸びず、インセンティブ(販売奨励金)が想定より膨らんで、粗利段階からマイナスになった。

――EV戦略の見直しを進めています。

特に主要な市場であるアメリカでここ数年、新車市場でのEVのシェアは7%くらいの状況が続いており、伸び悩んでいるのは間違いない。さらにバイデン政権からトランプ政権になり、(EVへの)補助金や環境規制がなくなったり、遅れている。従って、それに合わせて変わらざるをえない。

ただし、EVへの挑戦は続ける。だからといって、何が何でもアクセルを踏み続けるというのは経営ではない。重要なのは、キャッシュフローで事業を見ること。PL(損益計算書)だけを気にしていると、挑戦するのは難しくなる。どれだけ稼いで、どれだけ投資に回していけるかは、キャッシュフローでないと見えてこない。

投資家にもキャッシュフローで説明していきたい。

――キャッシュフロー重視は、PLでの赤字の言い訳では?

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