元yutori執行役員の「27歳起業家」、飲食業界に転身して”快進撃”のワケ Z世代に支持される「店づくり」のコツを聞いた

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では、穀本氏がマーケティングで大事にしていることは?「アパレル時代から意識しているのは『レア感』を大事にすること。たくさんつくってたくさん売るのではなく、生産量を絞って『限られた人しか買えない』状況をつくる。

そうすることでブランド価値が付き、高く値付けしても売れる。ベーグルも、生産が追い付いてない面もあるが、毎日、早めに売り切るようにしてだらだら営業はしません。早い時間に行って並んだ人しか買えないレア感が人を引き付けるのだと思います」(穀本氏)。

まさに“厚利少売”だ。ただし、単に供給を絞って人を並ばせ注目を集める「行列商法」ではない。店を注視すると、内装の細かいデザインなど随所にこだわりが見られる。

当然ながら「写真に撮られたときの見え方は強く意識している」という。アパレル出身らしいセンスを生かし、細部でブランドの世界観を表現している。こうした付加価値に「レア感」が重なることで、ベーグルも1個500円以上の値付けが可能になっているのだろう。

REUM BAGEL
「AREUM BAGEL」店頭の看板にはキャンパスに本物の絵具やパレットを飾るといった演出が。こうした技巧を散りばめ、ブランドの世界観を表している(筆者撮影)

映えだけの時代は終わり、いまバズるものとは?

「映えの概念はどんどん変わっている」と穀本氏は言う。穀本氏自身もZ世代で、手掛ける店のお客もZ世代が多い。そこには同世代ならではの目線がある。

「昔は単に写真映えするもの、目を引く見た目のものを用意すれば写真を撮られてSNSで拡散されていた。でも今は単に映えるだけじゃ写真は撮ってもらえない。限られた人しか買えない、体験できない、といった優越感がキーワードになっている。『私だけが買えた、体験できた素敵なもの』を写真に撮ってSNSに上げたいと思うようになっています」(穀本氏)

今後について、5年以内に100店舗の展開を目標に掲げ、主に定食店と韓国ベーグルの業態を中心に広げたい考えだ。もしそれだけの規模になれば、二度目の上場の可能性もあるのではないか?穀本氏に聞いてみた。「まだそんなレベルじゃないけど……上場はまた経験したいですね」と答えてくれた。

【前編】アパレルで年商7億→飲食へ「27歳起業家」の戦略 では、「アパレル起業→飲食でセカンド起業」という穀本氏の独自のキャリアについて、大関まなみ氏が詳しく取材している。
大関 まなみ フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人

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おおぜき まなみ / Manami Ozeki

1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月より飲食業界のトレンドを発信するWEBメディア「フードスタジアム」の編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100人の飲食店オーナーを取材する。
Instagram:@manami_ohzeki

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