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スーツケースやマットレス…「生活感のない不自然なごみ」が教える"闇民泊"。新宿で見た《民泊の実態と民泊からのごみ問題》

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  • 藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授
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新宿区の民泊の「標識」(画像:「新宿区住宅宿泊事業ルールブック」より)

一方、新宿区の大久保地区を歩いてみると、一軒家に民泊の「標識」が貼られずに宿泊施設の名称のみが表示されている物件が目に留まった。

標識がないので無許可の民泊かと思うかもしれないが、そうではない。365日営業できる①に基づく「旅館・ホテル営業」か「簡易宿所営業」となる宿泊施設である。

利用者からすれば一軒家で宿泊するなら「民泊だ」と思うであろうが、厳密に言うと旅館業法に基づいた宿泊施設である。本稿ではそれらも含めて便宜的に「民泊」として話を進める。ちなみに、許可を得た施設や届出を行った施設は、地方自治体のHPで公表されている。

民泊施設から排出されるごみの扱い

民泊施設で宿泊客が排出するごみは、「民泊事業」から生じるため「事業系ごみ」扱いとなる。よって処理は、民泊事業者もしくは管理受託会社が一般廃棄物の処理業者や産業廃棄物処理業者へと委託する。

排出する場所については、家庭ごみではないので周囲の居住者が使う「ごみ集積所」を利用できない。そのため、ごみが飛散したり悪臭がしたりして近隣に迷惑をかけないようにして宿泊施設の敷地内で保管し、処理業者と取り決めた場所で引き渡すのが一般的だ。

しかし、民泊施設が収集車が入れない路地の奥の方などにあり、作業員が歩いて向かう手間がかかるような場合は、処理業者が収集依頼を請けてくれるとは限らない。

このようなケースの救済措置として、新宿区では事前協議を前提として、コンビニエンスストア等で販売されている事業系ごみの「事業系有料ごみ処理券」を貼付することで、一般家庭からのごみの収集に影響のない範囲で一緒に収集している。

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