スーツケースやマットレス…「生活感のない不自然なごみ」が教える"闇民泊"。新宿で見た《民泊の実態と民泊からのごみ問題》

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このような声は区議会議員に数多く寄せられ区議会でも取り上げられているが、業者への周知徹底を行う対応だけでは有効な手立てとなっているとは言えない。

ごみ排出の不自然さが示す「闇民泊」

民泊から排出されるごみの現状を現地で確認しようと、民泊が行われている地区でごみ収集に従事している清掃職員や、清掃指導で地域を巡回している清掃職員の方々に案内いただいた。

すると至る所で「生活感のない不自然なごみ」が見受けられ、「闇民泊」の可能性に気づいた。清掃職員たちも、「生活感のない不自然なごみ」の存在から、旅館業法や住宅宿泊事業法に基づかない民泊が相当数行われているのではないか、と感覚的に受け止めているという。

この「不自然なごみ」の典型が、特定の地域で頻繁に排出される「キャリーケース」や「マットレス」である。

これらは新宿区では「粗大ごみ」となるので、区民が排出する場合には受付センターに申請し、ごみ処理券を貼付して自宅前に排出すれば回収される。そのため処理券を貼付せずごみ集積所に排出されている場合は、ルールを知らない者が捨てたと判断できる。

スーツケースやマットレスなど
ルールを破って排出されていたスーツケース・マットレス・枕など(写真:筆者撮影)

また、清掃職員が可燃ごみの収集日でない日に排出され、残置されたごみ袋を破袋してみると、搭乗時にスーツケースに付けられるタグ、使い捨てスリッパ、大量の靴の箱、大量のコンビニ弁当や宅配ピザのガラ(いわゆる「パーティごみ」)、瓶・缶・ペットボトル等が入っていたという。これらは民泊した跡を示すごみだと考えられる。

清掃指導の巡回時にこのようなごみが見受けられれば、付近の民泊施設を探して連絡を試みる。しかし、付近に登録された民泊施設がない場合は、付近に「闇民泊」が潜んでいると推測される。

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