二階堂ふみを射止めたカズレーザー、世間体を超越した“ブレない生き方”のすごみ

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彼の生き方は学生時代から一貫している。無意味な労働を嫌い、バイトもほとんどせず、家賃が払えなくなれば大学の部室で寝泊まりするという生活を平然と続けていた。お金や安定を目的に動くのではなく、やりたいことをやるという姿勢を貫いてきた。

芸人としての下積み時代にも、一般的な「苦労話」とは無縁だった。ピン芸人時代は全くウケなかったが、「実力がないから仕方ない」と淡々と受け止めていた。事務所に勧められて安藤なつとメイプル超合金を結成した。最初は全くウケなかったが、ボケとツッコミの役割を固定してから大きな笑いを生み出せるようになっていった。

人間としての奥行の深さ

カズレーザーの人気は、芸人としての実力だけでなく、人間としての「執着のなさ」「自己肯定感の高さ」に支えられている。「人生なんてなりゆき」「自分がいなくても世の中は成立する」と言い切る彼は、世間体や周囲の期待に縛られていない。

今回の結婚発表に関しても、世間の人は驚きながらも「カズレーザーならこういう選択をしてもおかしくない」と感じたのではないか。見た目もキャラクターもつかみどころがなく独創的だが、テレビの中で与えられた役割を果たすということにかけては超一流であり、人間としても知的でフラットな人生観を持っている。偏見のない目線で直言を放ち、息苦しい日本社会に風穴を開ける存在として、これからも注目され続けるだろう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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