2050年の世界地図 ローレンス・C・スミス著/小林由香利訳
夏の北極海の氷が最小記録レベルを過去5年続け、海氷の消失による温暖化効果が北の高緯度地域により拡大するとともに、「北極フィーバー」ともいえる世紀の「争奪戦」が始まっている。北極海の海底には化石燃料が豊富に眠っているとみられるからだ。
「世界の未発見の天然ガスの約30%、原油の約13%は北極圏に眠り、それもほとんどが水深500メートル未満」(米地質調査所調べ)であることから、色めき立ったのは環北極圏8カ国(NORCs=北欧4カ国、アイスランド、米国、カナダ、ロシア)ばかりではない。サムスン重工業は北極専用の極地LNG運搬船をすでに開発している。
鉱物資源で未確認なものも少なくない。カナダがランク外から一気に世界3位のダイヤモンド産出国になる現象も起こっている。
今、厳寒の地で何が起こっているのか。科学データを基に2050年の未来図まで、地理学者が描き出そうとしている。
NHK出版 2940円
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら