「私には家庭があるから」。親の介護を押しつけるが相続財産は請求、兄弟姉妹で起こる争いの「対策」は?

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私が結婚できなかったのは、母の介護を私に丸投げした、あなたたちのせいではないか――。こんな姉たちに、女性は何も言う気が起きなかった。介護の日々を振り返って、女性はこう話す。

「介護から逃げようとするきょうだいを説得するのは、時間とエネルギーのムダです。これが自分の運命だと覚悟を決めたら、かえって楽になります。

私は無宗教者ですが因果応報という言葉は信じています。親への恩を忘れた者には、自分が要介護者になったときに子から捨てられるといった天罰があると思います」

連絡しても「よろしく!」

埼玉県のパートの女性(57)も、近くの施設で暮らす父親と母親の対応を1人で担っている。

都内に住む3歳年下のフリーランスの妹は、どんな連絡をしても「忙しいから無理。よろしく!」とLINEで返事するだけで、協力をしてくれる気配はない。

母は60代後半から認知症となり、父も数年前に脳梗塞のために手足にまひが残った。

現在はそれぞれ別の施設に入ったが、通院の付き添いや衣服の洗濯などのために、女性はパートの仕事をしながら父母のところに通っている。

父が施設を退去せざるを得なくなり、次の施設を決めて妹に報告をすると、こう返ってきた。

「ありがとね、よろしく!」

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