「あ、これはダメかも…」 死亡事故が発生しやすい危険な「対面通行・車線間中央分離帯ナシの高速道路」。危ないのになぜ放置されるのか
そもそも、建設された2車線は「走行車線・追い越し車線」仕様であるため、一定面積が必要なコンクリート・ガードレールを設置するには、もともとの道路幅が足りない。
これが「暫定」と割り切って、道路中央部を「ラバーポール」(車線分離標)もしくは黄線(車線をはみ出しての追い越し禁止)を引くだけなら、道路幅もそこまで必要ない。対面通行区間の中央分離帯は”暫定”であるが故に、低予算で簡易な車線分離とならざるをえないのだ。

さて、ラバーポールの設置で、高速道路上の事故は防げるのか?
接触した場合、気づいたクルマは慌てて車線側に戻り、ポリウレタンゴムでできたラバーポールはもとに戻る……だけで済めばいいのだが、ドライバーの居眠りなどでコントロールが失われていると、クルマはラバーポールを踏み倒して対向車線に飛び出ることになる。こうして、対面通行区間での正面衝突事故が発生するのだ。
先に述べた7月の事故でも「トラックのタイヤがバースト(破裂)を起こしたように見える」という目撃証言があり、そのままラバーポールを越え、対向車線側のバスの正面衝突に至っている。もし、車線の完全分離などで対面通行状態でなければ、こういった事故が起きる可能性も低いだろう。
救いの神「ワイヤーロープ」設置が進まないワケ
しかし近年、対面通行区間の車線分離に、あらたな選択肢が登場した。それは「ワイヤーロープによる中央分離帯の仕切り」だ。


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