「あ、これはダメかも…」 死亡事故が発生しやすい危険な「対面通行・車線間中央分離帯ナシの高速道路」。危ないのになぜ放置されるのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なぜ、ここまで多いのか? 大きな要因として、建設予算の制約がある。

2021年、市原鶴舞ICから木更津JSTまでの圏央道風景
2021年、市原鶴舞ICから木更津JSTまでの圏央道風景。将来的な4車線化のスペースが右側にある(写真:HiroHiro555/PIXTA)
全国の対面通行(暫定2車線)区間
全国の対面通行(暫定2車線)区間。国土交通省資料より

高速道路はその多くが4車線で計画されているものの、当初からフルに建設すると建設費用が膨らみ、建設に踏み切れない(予算が降りない)場合もある。そこで、当初は片側1車線だけを構築し、需要に応じて残りを後から追加する方式で建設される。

特に地方は、狭くて不完全でも「とにかく高速道路を建設してほしい!」という地域が多い。普通に作れば「1km50億円」ともいわれる高速道路を誘致するためには、建設費用の妥協が不可欠なのだ。

上信越自動車道
対面通行区間に入る手前には、注意喚起の標識が何カ所も設置されている(写真:Hiroko/PIXTA)

工費を節約、片側2車線のみで始める

ただ、片側1車線の道路を別個に建設すると、トンネル・橋も別個で建設する必要があり、あまり工費の節約にはならない。そこで、まず片側2車線分を建設したうえで、中央部を仕切って上り・下り方向として暫定運用。

4車線化の際には、確保しておいた道路脇の敷地にもう2車線を建設したうえで、最初に建設した片側2車線の中央分離帯を普通のアスファルトに転換、上下とも2車線の高速道路に生まれ変わる。これが「暫定2車線→4車線化」のおおまかなロードマップだ。

ここで、対面通行の中央部の車線分離が問題となる。コンクリートやガードレール・盛り土などによる完全分離で、対向車のはみ出しは発生しなくなるが、4車線化された際にすべて破壊し、アスファルトの路面に作り直す必要がある。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事