「あ、これはダメかも…」 死亡事故が発生しやすい危険な「対面通行・車線間中央分離帯ナシの高速道路」。危ないのになぜ放置されるのか
なぜ、ここまで多いのか? 大きな要因として、建設予算の制約がある。


高速道路はその多くが4車線で計画されているものの、当初からフルに建設すると建設費用が膨らみ、建設に踏み切れない(予算が降りない)場合もある。そこで、当初は片側1車線だけを構築し、需要に応じて残りを後から追加する方式で建設される。
特に地方は、狭くて不完全でも「とにかく高速道路を建設してほしい!」という地域が多い。普通に作れば「1km50億円」ともいわれる高速道路を誘致するためには、建設費用の妥協が不可欠なのだ。

工費を節約、片側2車線のみで始める
ただ、片側1車線の道路を別個に建設すると、トンネル・橋も別個で建設する必要があり、あまり工費の節約にはならない。そこで、まず片側2車線分を建設したうえで、中央部を仕切って上り・下り方向として暫定運用。
4車線化の際には、確保しておいた道路脇の敷地にもう2車線を建設したうえで、最初に建設した片側2車線の中央分離帯を普通のアスファルトに転換、上下とも2車線の高速道路に生まれ変わる。これが「暫定2車線→4車線化」のおおまかなロードマップだ。
ここで、対面通行の中央部の車線分離が問題となる。コンクリートやガードレール・盛り土などによる完全分離で、対向車のはみ出しは発生しなくなるが、4車線化された際にすべて破壊し、アスファルトの路面に作り直す必要がある。
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