スバル「6代目フォレスター」の激変したデザインには「伝統」と「挑戦」が凝縮されていた!

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ホイールは、プレミアムがシルバー、Xブレークがブラック、スポーツがカッパーと3タイプともに違うし、Xブレークはライトグリーンをグリルに入れ、スポーツは前後バンパーやサイドシルにカッパーを配している。

グリルにライトグリーンのアクセントカラーが入るXブレーク(写真:SUBARU)
グリルにライトグリーンのアクセントカラーが入るXブレーク(写真:SUBARU)

アウトドアツールを思わせる色使いだが、実車を見ると派手すぎず、絶妙なコーディネートだった。スバルのエンジニアやデザイナーには、アウトドアを楽しむ人が多いそうで、自分たちの趣味の中でセンスが磨かれているのかもしれない。

受け継がれるスバルの美点

インテリアはレヴォーグなどと共通の縦長ディスプレイが据えられ、メーターがフルデジタルになったことが目立つが、エクステリア同様、面がシンプルになり、水平基調になったことにも気づく。

助手席前のパネルは彫刻的な加工を施すことで立体感のあるデザインとしている(筆者撮影)
助手席前のパネルは彫刻的な加工を施すことで立体感のあるデザインとしている(筆者撮影)

それでいて、エアコンルーバーなどにはヘキサゴンを織り込んでいるので、SUVらしさも伝わってくる。色使いが落ち着いたためもあり、上質になった印象だ。

新型は価格も上昇し、エントリーグレードでも400万円を超えてしまったが、インテリアのクオリティを見れば「高い」という印象は薄れるはずだ。

フロントシートにも秘密がある。後席乗員とのコミュニケーションを考えて、シートバックを左右対称とせず、中央側がなで肩になっているのだ。とはいえ、座ってみたときの違和感はない。ファミリーユースを考えた作りだ。

試乗したグレードは「スポーツEX」のためカッパーのアクセントが入るコーディネート(筆者撮影)
試乗したグレードは「スポーツEX」のためカッパーのアクセントが入るコーディネート(筆者撮影)
頭上・足元ともにたっぷりしているリアの居住空間(筆者撮影)
頭上・足元ともにたっぷりしているリアの居住空間(筆者撮影)

歴代スバルの美点である視界の良さも、新型フォレスターは受け継いでいる。上下に薄い水平対向エンジンのおかげで、インパネの高さが抑えられているし、サイドウインドウ下端がほぼ水平なので、車両感覚がつかみやすい。

インテリアコーディネートは、エクステリアで紹介した3つのラインによって、色だけでなく素材も変えていて、それぞれのキャラクターが車内にいても理解できる。

1.8L BOXER 直噴ターボ “DIT”はトルクたっぷりで扱いやすかった(筆者撮影)
1.8L BOXER 直噴ターボ “DIT”はトルクたっぷりで扱いやすかった(筆者撮影)

メカニズムでは、「クロストレック」に続いてストロングハイブリッドを導入したことがトピックだが、個人的には伝統のターボエンジンを残してくれたことが嬉しい。

ターボエンジン車は車両重量が100kgほど軽いこともあり、ドライビングの楽しさでは確実に上回る。でも、環境のことを考えると、新しいデザインと伝統のターボエンジンの組み合わせは、今しか味わえないかもしれない。

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数あるライバルの中でも独自のキャラクターの持ち主であり、スポーツ以外のグレードでもターボを選べればありがたい。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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