大祭は8月に行われるのだが、その1カ月ほど前の干潮時に住吉講の講員が中心となって掘り出す。江戸時代から続く神事だ。


「ほかにも作業はたくさんあります。そうしたいろいろなことに参加していただけるのなら、我々はとにかくウェルカムなんです。だけど、講員は年々減少しているのが実情です」(横島さん)
そうした説明をする横島さんの顔を見て、長老格の田中修さんが目を細める。粋な口ひげと、ねじり鉢巻の陽気なおじさんだ。
「おまえたちの世代が、そうやって祭のことを語れるようになったってことに、俺は感動しているよ。彼が言うように講員は減っているけど、まだまだ大丈夫だなぁって、思えてきた」(田中さん)
同じく長老格の中澤晴生さんも口をそろえる。
「本当にそう思うよ。でもさ。やっぱりここにタワマンができ始めたころに、少しずつ街の様子が変わってきたのは仕方ないことだね。新しい住民は祭があることすら知らないって人もいるらしいから」(中澤さん)
決して閉鎖的なワケではない
前出の田村さんはこう言う。
「こうやって話すと、閉鎖的な地域だって思われてしまうかもしれないけど、そんなことはないんですよ。タワマンだろうが、それ以外のマンションだろうが、私たちは大歓迎です。
でも、時代が変わってきたというのはやっぱりある。それでも我々はこの地域の文化を守っていきたいと考えています」(田村さん)

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