ニュース、SNS…気がつけば簡単に陥っている「勧善懲悪のワナ」。古代から受け継がれる「教養ある人の思考」の身につけ方

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全人類の教養大全1
「ウンチクばかりで自分の頭で考えない人」にならないために(写真:mits/PIXTA)
起業家のけんすう氏によると、私たち人間の物事の理解の仕方は大きく「ストーリー理解」と「構造理解」に分けられるという。
「ストーリー理解」とは、物事をおもに勧善懲悪でわかりやすく捉えることだ。出来事を過度に単純化し、安易で偏った結論を導く危険があるという。
しかし、物事を俯瞰的に捉える「構造理解」ならば、より本質的に考えられる。よく「歴史に学べ」と言われているのも、この「構造理解」のためである。
世界の成り立ちとしくみを知ることがいかに大切か、そしてそれらを今のわれわれの生活にどう活かしていけばいいのか。
世界で300万部のベストセラーになっている『全人類の教養大全』をもとに、「構造理解」の重要性を読み解いてもらった。

その「ストーリー理解」では浅すぎる

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ある物事について考えるには、いろいろな角度から捉える必要があります。たとえばA国とB国が戦争状態にあるとして、A国から見ればB国は悪、B国から見ればA国が悪となる。これを第三者として考えるときに必要なのは、どちらか一方の側に立って対立国を非難することではなく、まず両方の立場や事情を知ることでしょう。

具体的に言えば、ウクライナに侵攻したロシアを西側諸国の視点だけで悪者扱いするのも、パレスチナへの爆撃をやめないイスラエルを人道的観点だけで悪者扱いするのも、見方が偏っているということです。

世の中の大半のことは、そう簡単には割り切れない。ならば誰に正義があるかを問うのではなく、それぞれの立場や事情を理解したうえで、改めて自分のスタンスを明確にし、「では、どうするのが一番妥当か」を考えることが大事だと思います。

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