ところが、ついつい30万円使ってしまうと、貯めるどころか手元のお金がマイナスになってしまいます。このようなお金の流れを把握することで、お金を貯めるステージに立つことができるのです。
「資産」と「負債」のあり方を考えよう
ただ、お金を増やす手段はほかにも存在します。それは、あまったお金を資産に変えること。ここでいう資産は、簿記における「財産的価値があるもの」とは異なります。
世界的なベストセラーとなった、ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)をご存じでしょうか? この本によれば、「資産」は「お金を生み出して、自分を豊かにしてくれるもの」であり、「負債」は「お金を奪っていくもの」と定義しています。
この考え方をすると、たとえば持ち家は財産的な価値はありますが、お金を生み出すものではなくむしろ維持費がかかるため、負債ということになります。
私はこの話を知ったとき、すさまじい衝撃を受けました。資産と負債には、区別がややこしいものもあります。預貯金や国債(国が発行する債券)、株、投資用不動産などは、多かれ少なかれお金を生み出してくれるものなので、資産であることは疑いがないでしょう。
一方で、返済が必要な奨学金や使えば支払いが増えるクレジットカードは、負債に分類できます。持ち家を負債と考えると、車もガソリン代、車両税、保険料といった維持コストが必要なので、これも負債ということになりますね。
銀行からの借入金は、どうでしょう? 企業の貸借対照表(バランスシート)ではすべて負債に分類されますが、じつは借り入れの目的によって、いい負債とそうではない負債に分かれます。
たとえば住宅ローンは、お金を生まず維持費だけかかる持ち家を買うための借り入れなので、「そうではない負債」に分類されることで異論がないはずです。
一方で、投資用マンションを買うための借り入れはどうでしょう? 投資用マンションはお金を生み出してくれるので、それを買うための借り入れは「いい負債」だと考えられます。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら