「メンタルが弱くて落ち込みやすいため、気を遣って叱れない」Z世代、実はこう考えている

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続く②では、職場でよくある「ちょっと困ったな」というようなシチュエーションを提示し、「この場面でどう感じるか」を吹き出し形式で埋めてもらったのだそうだ。

シチュエーション例:
1. 距離の詰め方(上司にランチに誘われたら?)
2. 仕事の指示(「まずやってみて、わからないことがあったら聞いて」)
3. フィードバックの仕方(上司が「なんで?」と聞いたとき)
4. やる気が出ないとき(叱られたり、「喝」を入れられたら?)
(90ページより)

そして③で行ったのは、「働きやすい職場とはどのようなものか?」をテーマに、写真や絵を用いながら次の3点について考えてもらうこと。

・部長、課長、先輩、同期に求める要素とその理由
・オフィスに求める要素とその理由
・なぜこのような人間関係・職場にしたか(全体像)
ワークショップ設計・実施協力:ハイフネイト株式会社
(91ページより)

これらを通じて明らかになった「実は、こうだった」という背景や気づき、得られた洞察は、表面的なデータだけでは見えてこないZ世代の本音や背景を理解するための貴重な手がかりになったと著者は述べているのである。

そのなかから、2つのトピックスをご紹介しよう。

実は、やりがいを感じることを重視している

よく話題に上ることでもあるが、Z世代は「プライベートを重視し、明確に仕事との線引きをする」と思われがちである。残業を嫌い、心のシャッターを下ろすようにプライベートを守ろうとするなど。

ところが著者が対話を重ねていくと、まったく別の側面が見えてきたのだという。「仕事にやりがいさえ感じられれば、がんばれる」というものだ。象徴的なのが、「①ワークライフバランスの『現実』と『理想』について話し合うトーク」での、あるIT関連企業で働く若手社員の回答だ。

彼は、現実のワークライフバランスにおいて、まず「仕事」の時間を6割に設定しました。しかし、理想の配分について聞くと、彼はなんと「仕事」の割合を85%まで増やし、そこに「趣味」というワードを重ねて記入したのです。さらに、その上には二重に線を重ねて、「友人」や「自分」といったワードも加えていました。
(93ページより)

(外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

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