「足を上げる瞬間にシャッター音が鳴り響いて…」現役アイドルが恐怖する盗撮と“危ない写真”の行方 

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昨今では、地下系アイドル含むグループの多発などにより、業界全体の治安が悪化しているそうだ。橋本社長は「(体制の整っていない)小さな事務所が増えすぎている」と語る。

「なかにはマネジメントが機能しておらず、教育がなされないどころか、人権も守られていないようなグループがたくさん存在しているんです。ツギステにいらっしゃるタレントさんの中には、びっくりするようなリテラシーの低さ、モラルのなさの方も正直、いらっしゃいます。

でも、それはその人だけが悪いのではなく、事務所が増えすぎた結果、人を育てられなくなっている点も原因のひとつです。だからこそ、きちんとした指標が出てくれば、業界自体にも自浄作用みたいなものが生まれるのかなとは思います」

橋本社長
「自分も苦しんだ経験があるからこそ、次世代を守っていきたい」と橋本社長は語気を強める(撮影/梅谷秀司)

無菌室に閉じ込めるのではなく、生き抜く力を与えたい

山田社長はリスクマネジメントについて、「本当の意味で、所属タレントのSNSをすべて監視するのは無理」と認識している。また、事務所はタレントを全力で守るべきだという前提に立ちつつも、「“無菌室”の中に閉じ込めて弱くなってしまうのは避けなければならない」ともいう。

「事務所としては悩みがあればじっくり話を聞くし、こちらから先手を打って、トラブルを防ぐ対応もする。そのなかで彼女たちの不安や心配をできる限り取り除いてあげたいと思っています。でも、社会生活を営んでいる以上、芸能活動をしていなくとも、つらくて大変なことは必ずあります。だから守ることで彼女たちが弱くなったり、考える力を失ったりしてしまうのは違うはず。

彼女たちの“つらさ”が、次のステップ進むために必要で、ある程度は経験してもらうべきものなのか、今すぐ救うべきものなのか。そこは見極めて動くよう心がけていますね。ただ、先ほども言いましたが、リテラシーが足りないために行き詰まったり、判断を誤ったりしてほしくない。だからこそ、今回のような機会を設けることで、追い詰められたときにも現状と向き合い、自分で正しい一歩を踏み出せるようになると信じています」

今回は芸能界における事例を扱ったが、タレントに限らず、現代を生きる私たちにとって、SNSやメンタルヘルスにまつわる悩みごとは避けられない。タレントや社長らのインタビューからもわかるように、常識をアップデートし続け、自衛の感覚を磨いていくことこそが、リスクを回避するために必要な一手だと言えるだろう。

青柳さん、鍛治島さん、鈴木さん
彼女たちがストレスに負けず、長年にわたり活躍できる未来を願いたい(撮影/梅谷秀司)
池守 りぜね ライター・編集者

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いけもり・りぜね / Rizene Ikemori

インタビューメインのライターとして、雑誌やWebなどの媒体で執筆。ゲストを招いたトークイベント『放課後のしゃべり場』の主催とMCも務める。専門は音楽、サブカルチャー。note:https://note.com/rizeneration X(旧ツイッター):@rizeneration

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