「足を上げる瞬間にシャッター音が鳴り響いて…」現役アイドルが恐怖する盗撮と“危ない写真”の行方 

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このようにさまざまなリスク、ストレスにさらされるなかで、タレントたちはどのように対処しているのだろうか。青柳さんが笑顔を見せ、こう続ける。

「いろいろ困ったエピソードをお話ししましたが、その一方で、悩んでも悩んでもどうにもならないというか、アイドルは“見られる”仕事である以上、どうしても受け入れざるをえない部分もあります。だから楽観的になるのが一番の対処法かなって考えています。

以前はギリギリまで一人で溜め込みすぎて爆発し、事務所の方にも迷惑をかけてしまいました。そうしたら、“抱え込む前に周りに相談しなさい。私たちが守るから”って言われて、いい事務所に入れていただけたなと思いました」

鍛治島さんもアイドルになったばかりの頃は、「例えば衣装や演出面などで嫌なことがあっても、ノーと言いづらかった」と振り返る。「でも、心身ともに元気に長く働くためにも、本当にしんどいときや違和感を抱いたときは、早めにSOSを出すことが大事なんだなと、今は思えています」

リテラシーを高めることで芸能界での寿命が延びる

今回の講義はYU-Mエンターテインメントとツギステの共同開催となった。どのような経緯で講義を行うことになったのか、山田昌治社長と橋本ゆき社長に話を伺った。

「ツギステにキャリア相談にいらっしゃる元アイドルの方も、心身のトラブルを抱えている方が多いんです。そこで、自分のアイドル時代の経験も活かしながら、タレントをリスクから守ることができないかと考えていました。そして事務所側も、タレントを商品や消耗品として扱うのではなく、大切な人材として育ててほしい。そのような思いに共感してくださった山田さんと、タレント向けの講習を開催することになりました」(橋本社長)

数多くの女性タレントを抱えているYU-Mエンターテインメント。山田さんいわく、所属タレントのリテラシーが高ければ高いほど、健康な状態で長く活動できる傾向にあるという。

「リテラシーが高いと、わかりやすい例で言えば、SNSで誤爆しなかったり、付き合うべき人を見極めたりすることができます。社会常識や自分に起こりうるリスクをきちんと学んでいると、一人であれこれ悩んでストレスを抱える前に、さまざまな選択肢が見えてくるんです。そうして心身が悲鳴を上げることを防げれば、タレントとしての寿命を延ばせますし、プロダクションにとっても利益になる。だからこそ、正しい教育が必要なのです」

山田社長
山田社長は日頃から所属タレントとの会話の場を増やし、体調を気にかけているそう(撮影/梅谷秀司)
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