「伝わらないのは相手が悪い」と思っているのは残念な人?――聞く人を混乱させない! 説明上手になる2つのメソッド

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伝わらないのは相手のせいではなく、自分の伝え方が悪かったのだ、と考えるのです。

説明上手は「振り返り上手」

先日、プロ野球の某球団コーチから「会見の際の話し方を見てほしい」との連絡がありました。記者会見の映像を見ながら「記者の質問に、パッとうまく説明できなかった」「言いたいことをもっと簡潔に説明したい」とおっしゃいます。

実は、こうした“振り返り”の作業にこそ、説明上手になるためのカギがあります。

自分がプレゼンなどで説明をした内容を改めて振り返り、

・自分が本当に言いたかったことが伝わっているか?
・伝わらなかった箇所があるとすればどこか?
・どう説明すればよかったか?

これらを考えることが、説明上手につながるプロセスなのです。

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さて、このコーチの場合、映像を振り返りながら「ここでは何が言いたかったですか?」と尋ねていきました。

最初は考え込んでいましたが、しばらくすると、訥々と、ご自身の“想い”を語ってくれました。それを私がわかりやすい言葉に修正し、本人に言ってもらう。

何度か声に出してもらった上で、会見での記者からの質問を再び私がしてみると……「パッとうまく説明」できたのです!

「考えを言葉にする」過程を省いては、突然パッと言葉は出てきません。しかし、こうした振り返りの作業によって、どこでつまずいていたか、どう改善すればよいかが自ずと見えてきます。

説明上手になるためには、うまく伝わらなかったのは相手のせいではなく、自分の責任として受け止め、そこからどう改善していくか、振り返る姿勢が大切なのです。

阿部 恵 スピーチコンサルタント、元TBS系列中部日本放送アナウンサー、元国会議員政策担当秘書

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あべ めぐみ / Megumi Abe

神奈川県川崎市出身。中部日本放送(CBC)にアナウンサーとして入社。CBC「サンデードラゴンズ」キャスター、TBS「おはようクジラ」中継キャスター等を歴任。芸能・スポーツ界をはじめ、これまでインタビューした人の数は1万人以上。TBS系列28局の中で最も優れたアナウンサーに与えられる「アノンシスト賞・最優秀賞」ほか、数々の賞を受賞。その後、フリーアナウンサーとして活動したのち、出産を経て、キャリアチェンジ。国会議員政策担当秘書資格を取得し、政財界のトップリーダー、官僚らとやりとりしながら政策立案、国会質問原稿作成、選挙戦略策定等に従事。有権者にきちんと伝わる説明や話し方指導を行う。政治家や元総理夫人、上場企業の社長・役員、弁護士等のトップリーダーから企業研修まで、これまで6000人以上にスピーチ指導を実施。著書に『1日1トレで「声」も「話し方」も感動的に良くなる』(日本実業出版社)がある。

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