「アイス売れ筋ランキング」で読み解く5年連続市場拡大の裏側、猛暑で人気の≪定番&新作≫のブランド戦略とは?
「期間限定フレーバーは、ブランドとしての“定番性”(既存ファンへの訴求)と“新規性”(未購入・離反ユーザーへの訴求)の両軸から販売ラインナップを策定しています。チョコミントは固定ファンも多いフレーバーです」(グローバルフードソリューション事業本部 フローズン・食品事業部 フローズンデザートG 吉岡征史氏)
そのまま食べる以外の訴求も行う。「以前から取り組むアレンジレシピのメニュー提案があります。ひと工夫を加えることで、アイスの新しい価値を感じていただきたい。特にエッセルでは『量が多い』というニーズにも応えられると考えています」(同)
アレンジレシピは、同社の公式インスタグラムでも随時紹介している。例えば「トロピカラッシー」や「超バニラビーチ」といった夏らしい提案もあった。素材としてのアイスの可能性を広げる取り組みは、消費者からも支持されている。

年間約2億個売れる「チョコモナカジャンボ」
「チョコモナカジャンボ」と「バニラモナカジャンボ」(森永製菓)を持つジャンボモナカ(同社社内では「ジャンボグループ」と呼ぶ)。2024年度は101%と堅調に推移した。
「2023年3月にチョコモナカジャンボで『苦節5年! チョコの壁付いた』というキャッチーな技術革新を発表、同年12月にはテレビ番組に取り上げられて需要が大きく伸びました。2024年はその翌年でしたので、前年をクリアできて一安心です」
森永製菓 冷菓マーケティング部(ジャンボグループ担当)の中村望氏はこう話す。
1972年に誕生した「チョコモナカジャンボ」(発売時の商品名は「チョコモナカ」)は、今や年間約2億個を販売。単品で最も強いブランドだ。長年“パリパリッ”を追求する。
「真ん中に入るチョコは板チョコでなく、液体を流し込み固めたもので、喫食時の口溶けを意識しています。また、中のモナカが吸湿するのを防ぐためにモナカの内側に“チョココーチング”を、さらに両サイドに“チョコの壁”をつくり、味わいを高めています」(同)
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