テキスト通話SNSアプリ「Jiffcy」が口コミで急成長。Z世代の配慮文化に応える新SNSの魅力
成長の原動力は口コミだ。TikTokでバズった動画をきっかけに、友人を誘い合って使うという自然な広がり方をしている。「Jiffcyを使おうと思っても1人では使えない。友達を誘って使うサービスだから、ほとんどバイラルで入ってくる」と西村氏は説明する。
収益化は今後の課題だ。スタンプ機能の一部有料化や、トーク中に表示される広告を検討している。「2人の会話の仲介役に広告サービスがある。一緒に同じ広告を見たり体験したりすることで話題になる。広告としても革新的なものが提供できる」と西村氏は構想を語る。ただし、プライベートな通話内容に基づく広告配信については、電気通信事業法上の通信の秘密との兼ね合いもあり、実装には慎重な検討が必要になりそうだ。
声を出せない場面での新たな選択肢
Jiffcyの可能性は単なる若者向けのコミュニケーションツールにとどまらないと西村氏は強調する。「避難所ではプライバシーが問題になる。Jiffcyは話し声を周りに聞かれない。緊急度合いが高いコミュニケーションをすることができる」。声を出しにくい環境での緊急連絡など、社会的な意義を見いだしている。
電話離れが進む一方で、深い人間関係への欲求は変わらない。物理的な制約と精神的な解放が同居する現代において、Jiffcyは新しいコミュニケーションの形を提示している。声を出さずに「電話」ができる——そんな逆説的なサービスが、Z世代の心をつかんでいる。
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