「炎舞炊きが25台もフル回転」「安くはないけど本当においしい」 象印マホービンが運営する「米が美味すぎる食堂」が大反響のワケ

✎ 1〜 ✎ 21 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

家電メーカーが、なぜ飲食店を手掛けるのか。飲食事業の責任者である、経営企画部 事業推進グループ長の北村充子さんに聞いた。

象印食堂 大阪本店の店内
象印食堂 大阪本店の店内。テーブルは隣との間を広くとって、ゆったり配置されている(写真提供:象印マホービン)         

家電メーカーが挑んだ「体験価値創造」マーケティング

感動」を体験させるセールスプロモーション

象印が経営する「象印食堂 大阪本店」は、大阪メトロなんば駅から徒歩5分、複合商業ビル6階にある。通りすがりで目に入る路面店ではないが、2018年のオープン以来、コロナ禍をのぞいてずっと“行列の店”だ。

2023年、JR東京駅から徒歩1分の商業施設「KITTE丸の内」5階にオープンした2号店も同様で、連日1時間以上の待ち列ができている。

大阪メトロなんば駅から徒歩5分の大阪本店は、複合ビル6階という立地にもかかわらず、連日行列ができている(筆者撮影)

客の中心は、生活に余裕があって食への意識が高い40、50代の女性だ。休日はファミリー、夜は仕事帰りのビジネスマンが「きちんとしたごはんを食べたい」と訪れることも多い。

彼・彼女たちの目当ては、ごはん。それも、象印が手掛ける炊飯器の最上位モデル「炎舞炊き」で炊いたごはんである。3種類を常備しており、すべて食べ放題となっている。

「『炎舞炊きのごはんが食べたい』『象印の最高機種の炊飯器のごはんがいかほどのものか知りたい』『もしおいしかったら家でも炎舞炊きを買いたい』などの目的で訪れる人が多いですね」(北村さん、以下「」内はすべて)

つまり、この店は「炎舞炊き」の価値を体験で伝えるセールスプロモーションの場なのだ。家電量販店の店頭説明やカタログでは、「ごはんの味の違い」はなかなか伝わらない。だが食堂なら、実際に食べてもらえる。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事