「炎舞炊きが25台もフル回転」「安くはないけど本当においしい」 象印マホービンが運営する「米が美味すぎる食堂」が大反響のワケ

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甘みや旨みはもちろん、炎舞炊きで米が舞っても崩れにくいことも条件だった。

象印食堂で使用しているお米
象印食堂で使用している、「さがびより」と「つや姫」のブレンド米(写真提供:象印マホービン)

決して安い米ではない。昨今、米の価格は高騰しているが、「品質は下げない」と北村さんは断言する。仕入れも、品質を担保するために、金子さんから直接購入している。

この厳選された米を、どのように炊くのか。「なるべく炊きたてで提供するため、一升の炊飯器だが5、6合炊く」「釜と蓋を洗って初期状態にする」などは聞いたが、ほかにも特別なコツがあるのでは? そう思って尋ねると、「水と米の量をきちんと測って入れて、あとは取り扱い説明書どおりにボタンを押すだけ」と、ちょっと拍子抜けする答えが返ってきた。

しかし、それこそが重要なのだ。

「勝手に違う炊き方をされて、あのおいしいごはんが違う味になってしまうことだけは嫌なんです。説明書にある使い方は、開発者が何度も試行錯誤した結果。だからこそ、それを守り通し、自信を持ってお届けできています」

炊飯器「炎舞炊き」
「炎舞炊き」でおいしいごはんを炊くコツは、水と米の量を守り、取扱説明書の炊き方を遵守すること(写真提供:象印マホービン)

説明書通りの炊き方を守るため、北村さんは頻繁に抜き打ちチェックもしている。仕事に慣れたスタッフが手を抜いたり、自分たちの感性で細かい変更をしていないかを確認しているのだ。

ごはんが引き立つおかず選びも

メニューづくりも、ごはんを主役に設計されている。提供するのは、昼は「象印御膳」と名付けられた定食3種類と、事前予約が必要な「御膳」が2種類。夜は「御膳」が6種類と「会席」が2種類だ。

内容は、基本は味噌汁と、主菜、小鉢におかずが3~7品、漬物や明太子など「ごはんのお供」が3品。味付けの基準はすべて、「ごはんが引き立つかどうか」だ。旬の野菜たっぷりで、見た目も彩り鮮やかな構成である。

定番定食「象印御前」
ランチタイムの定番定食「象印御前」2100円(東京店は2200円)。大阪本店の2025年夏のメインは、塩麹に漬け込んだ唐揚げ(写真提供:象印マホービン)
<象印御膳(鯛茶漬け付) 2100円の一例>
主菜:薬味づくしの冷しゃぶサラダ特製豆乳ごまだれで or 鶏肉の塩麹唐揚げしそジェノベーゼソースで
真鯛の薄造り、鯛出汁
おかず豆皿3種:紫キャベツとコーンのマリネ、マンゴーと枝豆の豆乳寒天、鶏そぼろと春雨のカレー風味
ごはんのお供:炙り明太子、海苔の佃煮わさび風味ときゅうりのお漬物、梅干しのオリーブオイル漬け
炎舞炊きごはん(3種、お代わりし放題)
オクラとわかめのお味噌汁

価格は、大阪本店で昼2100~4200円、夜2800~6000円程度(税込、以下すべて)。客からは、「安くはないけど本当においしい」と喜ばれている。

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