そして、「おいしい」と感じたとき、客の意識は、はじめて製品の機能や価値に向く。機能を説明するのではなく、“感動を体験させる”こと。それが象印の狙いだった。

25台の炊飯器が毎日フル回転!
店の中を紹介していこう。
店内には、入り口のレジコーナー奥、「店のどこからでも見える場所」に、「炎舞炊き」が25台も並んでいる。
一見展示場のようでもあるが、それがこの店の意気込みを表している。感動を伝えるために最も重要なのは、「炎舞炊きで炊いた、本当においしいごはんを提供すること」だからだ。

象印食堂が、ごはんにかける手間は半端ない。
「炊飯器1台1台、米と水の量を、グラム単位で正確に測って炊いています。空になったら、釜も蓋も全部洗って手入れし、初期状態に戻してまた炊きます。毎日25台がフル回転していて、米の量で言えば、約40キロを消費しています」
炊飯器は一升炊きのサイズだが、一度にあえて5、6合しか炊かない。常に炊きたてのごはんを提供するため、わざと減らしているのだ。一升の釜は大きく、相当な手間であろうことは想像に難くない。実際、筋肉痛になるスタッフも多いのだとか。

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