地震報道で話題「悪石島」での暮らしはどんなものか→銀行も病院も飲食店もない、島民《全員顔見知りの島》で小学校教師が暮らした5年間
春の遠足は、島の港に行き、釣り大会をするのが恒例行事。厳密な決まりはないが、自然と島の大人たちが集まり、小学生たちが港で釣りをする間に、船を出して沖合でカツオを獲ってきてくれる。昼の時間になると、魚を捌いてみんなで刺身を食べるのだ。大人も本気で遠足を楽しんでいる。

行事に、日常生活に、何かと島民に愛用されている「悪」Tシャツ。元々、学校の書道の先生が書いた文字をTシャツにしたところ、島の人たちも欲しがり、注文を取りまとめて発注する仕組みになった。現在は島の自治会の管轄になり、観光客用にも売店で販売(画像提供:片野田隆紀)

3男の音君が釣りをする様子(画像提供:片野田隆紀)
また、小中学校合わせて10人に満たない悪石島では、教育は手厚い反面、スポーツの人数が揃わず集団での遊びがしにくい。そんなときは島の大人たちも加わる。
「島民たちはソフトボール好きが多くて、しかも上手いんですよね。サッカーはある程度若手、といっても40代くらいまでの大人でやります」

幅広い年代で行うソフトボール(画像提供:片野田隆紀)
奇祭「ボゼ祭り」で子ども大泣き
島の一大行事が、旧暦7月16日に行われる「ボゼ祭り」である。2018年にユネスコの無形文化遺産に登録され、一気に注目度が高まった。
ボゼは、400~500年前に、黒潮に乗って悪石島にやってきたとされている。踊りや唄の形で伝承されてきた。
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